生産性は労働環境と繋がっている

エンジニアの生産性は労働環境に大きく左右される。もっとも生産性が上がるのは、エンジニア本人が仕事を面白く感じているときである。しかし人間は贅沢なもので、ちょっとしたことで仕事を重荷に感じてしまうところがある。そのため、座り仕事で会話が少なくなりがちなエンジニアの職場は、人材がなかなか定着しないなどといった課題と、長く向き合ってきた。
昨今の世界的な風潮としては、エンジニアが仕事を面白く感じる職場にはいくつかの共通点がある。

その一つは、自由度だ。出勤時間が固定で定時が厳密に定まっている場合、運動不足になりがち(したがって睡眠が不規則になりがち)なエンジニアのモチベーションが下がってしまうので、先進的な企業ではフレックスタイム制が主流になっている。早朝に朝礼のような儀式があり、厳密に九時五時を守っているような保守的な会社は、その流れからは残念ながら外れてしまっている、ということになるだろう。

次に重要なのは、エンジニアの仕事に自己裁量の余地があるかどうかだ。じっさい固定的でわかりきった課題を解決するような組織では、エンジニアの定着率が低い。またエンジニアを上から指示を与えて動かす道具のように考えている企業は、労働者の意欲も低くなりがち、という研究結果も出ている。なので、もしあなたがどこかの会社について「面白い仕事ができる職場かどうか」を知りたければ、面接などの際に、エンジニアが自主的に問題解決を提案することができるような文化があるかを確認すると良いだろう。